Larix Broadcaster(ラリックス・ブロードキャスター)は、iPhoneやAndroid端末のカメラ映像を、RTMPやSRTなどで配信サーバーへ送るモバイルエンコーダーです。視聴者が集まる配信先ではなく、現場のスマホとYouTube、Kick、制作スタジオなどをつなぐ送信側のアプリです。
Larix Broadcasterを選ぶ前に知っておきたい結論
スマホを現場カメラとして使い、配信先から発行されたURLとストリームキーを設定して送ります。無料版は30分、その後は指定オーバーレイ付きでさらに30分送信でき、合計60分で停止します。長時間送信、透かし削除、HEVC、3系統以上の同時接続などにはLarix Premiumが必要です。

Larixは配信先ではなく送信アプリ
Larixは端末のカメラとマイクを取り込み、設定した接続先へ映像と音声を送ります。アプリ内に視聴者向けのおすすめ欄やギフト画面がある配信サービスとは役割が違います。
YouTube Live、Twitch、Kick、Facebook Live、Restreamなど、RTMPを受け取れるサービスへ接続できます。配信先に直接つなぐほか、SRTで制作スタジオや受信サーバーへ映像を渡す使い方もあります。
視聴者、ライブ公開権限、チャンネルの収益化、禁止内容は接続先側で決まります。Larixを入れただけで配信先のライブ権限や報酬が得られるわけではありません。
URLとストリームキーを一つの接続先へまとめる
RTMPの接続情報は、プロトコル、サーバー名、ポート、アプリケーション名からなるServer URLと、配信を識別するStream nameまたはStream keyに分かれます。
LarixのConnection URLには、配信先が示したServer URLの後ろへスラッシュとストリームキーを続けた完全なURLを登録します。YouTubeの例なら、サーバーの末尾へ配信キーをつないだ形です。
接続先ごとにURLとキーが異なるため、別サービスのキーを組み合わせても送れません。キーはライブを開始できる認証情報として働くので、本文、画像、公開画面へそのまま載せないでください。
Larix Groveを使うと、接続・エンコード設定をQRコードやディープリンクで端末へ渡せます。複数の現場端末へ同じ形式の設定を配布する場合に、手入力を減らせます。

RTMPとSRTを中心に複数方式へ対応
RTMPは標準的な受信先へ送信でき、暗号化したRTMPSにも対応します。接続先からRTMP URLとキーが発行される一般的なライブ配信で使います。
SRTはCaller、Listener、Rendezvousの三つのモードを選べます。現場回線から制作側へ映像を送る構成では、受信側と相談して同じモード、ポート、遅延値を設定します。
ほかにWebRTC/WHIP、RTSP、Zixi、RISTへ対応し、PremiumのNDI出力ではスマホをNDIソースとして扱えます。すべての配信先がすべての方式を受け取れるわけではありません。
回線状態に応じてビットレートを変えるABRは、OSとプロトコルで対応が異なります。iOSはRTMP、RTSP、SRTに対応し、AndroidのHybrid方式はSRTだけです。
無料版は合計60分で送信が止まる
無料版のLarix Broadcasterは、最初の30分をそのまま配信できます。その後の30分は、指定のオーバーレイが映像へ必ず重なります。
2回目の30分が終わると配信は停止します。無料版を長時間のイベントや報道中継へ使う場合、60分を超えて連続送信できる前提にはできません。
WebRTC、Zixi、RTSP、RISTは透かしではなく時間制限の対象です。Zixiの無料送信は5分を超えると制限されるため、RTMP・SRTと同じ60分条件ではありません。

購読はAppleとGoogleをまたげない
同じApple IDを使うiPhone、または同じGoogleアカウントを使うAndroidでは、一つの購読を最大10台まで有効にできます。
iPhoneで購入した購読をAndroidへ移すことはできません。購読はApple IDまたはGoogleアカウントへ結び付くため、両方のOSで使う場合は別の購読が必要です。
管理端末でアプリ内購入を使えない場合や、多数端末を運用する場合はLarix TunerからPremiumを有効化できます。Tunerの基本料金は1台につき月10米ドルで、NDIは1台につきさらに月10米ドルです。
Tunerは端末の設定配布、遠隔操作、バックアップ・復元、送信統計、REST APIを扱えます。購読を解約しても支払済み期間は使えますが、前払い残高を残して終了した場合、その残高は返金されません。
対応OSと入手方法
現在の最低条件はiOS 16.0とAndroid 7.0です。Android版はGoogle Playに加え、GoogleサービスやNDIを含まない公式APKも提供されています。
Google Play版はFurtree Systems, Inc.が提供し、10万回以上のダウンロード、全ユーザー対象、アプリ内購入ありと表示されています。
スマホ画面そのものを送る用途はLarix Screencasterという別アプリです。Broadcasterのカメラ送信と、Screencasterの画面収録を同じ機能として扱わないでください。
Larix Broadcasterが合う人
屋外取材、イベント、スポーツ、遠隔制作などで、スマホをカメラ兼エンコーダーとして使い、RTMPやSRTの受信先へ直接映像を渡したい人に向いています。
配信先のURL・キー・プロトコル・ビットレートを設定せず、アプリ内だけで視聴者と交流したい人の目的とは異なります。接続情報を発行できる配信先または受信設備が必要です。
Larix Broadcasterのよくある質問
無料で何時間配信できますか?
最初の30分と、指定オーバーレイ付きの次の30分です。合計60分で送信が止まり、制限を外すにはPremiumが必要です。
ストリームキーはどこへ入れますか?
配信先のServer URLの末尾へスラッシュとキーを続け、完全なConnection URLとして登録します。発行元が示す形式が異なる場合は、その接続案内を優先します。
iPhoneで買ったPremiumをAndroidでも使えますか?
使えません。Apple IDとGoogleアカウントをまたげないため、両OSでは別購読が必要です。


